長距離移動が苦手だ。
毎年日本へ帰るときは、11時間も狭くて乾燥した機内に
じっとしていなければならないのが、苦痛で仕方がなかった。
5時間以内ならまだ、空の旅も楽しいかもしれないと思っていたけど、
先週のメルボルンへの4時間弱のフライトも同じく苦痛だった。
あらまぁ。

そんな出不精で旅行嫌いの私も、
今回、知らない都市を訪れて数日過ごすのも悪くないなと思った。
それがたとえ、仕事でも、何でも。
人が旅行に行きたいと思うのは、
日常からほんのちょっと、自分を解放する時間が欲しいからなんだと、
最近少し分かるようになった。
毎日ふとした瞬間に襲ってくる、目に見えない圧力とか、
人から浮かないように、無意識に、でも必死に守っている
様々な細かいルールとか、そういったものから逃れたいと思う瞬間が、
きっとみんなあるのだと思う。
最近の私が、ちょうどそういう状態だった。
相変わらず暗くてすいません。( ̄∇ ̄;) 
ところでオークランドはすっかり春だが、
25℃以下は「寒い」に分類されるサムガリータのぷくは、
いまだヒーターから離れられない。
ついでに私も。これは、中東シスヨルダンのある村で、火あぶりにされた女性が
奇跡的にヨーロッパに逃げ、自分の半生を綴ったノンフィクション。
女性に人権というものが全く存在しない村が、
いまだに世の中にはあるのだという事実に驚きつつ、
あぁ私は日本に生まれ育って良かったなぁ、
今住んでいる国がニュージーランドでよかったなと
単純に、心の底から思った。
「毎日感謝の気持ちが大切よ、幸せの鍵は感謝の心よ」
などと人に言われると、
とたんに心に黒いものが
むくむくと沸き上がり内心ケッ!としか思えない歪んだ私も、
この本を読んだときは無条件に、自分の今おかれている環境に
感謝せずにいられなかった。
こういう国に生まれなくて、私は本当にラッキーだったと。

7月23日のブログに、私はこう書いている。
「場所を変えれば悩みが消えるというのは幻想だということが
分かってしまっている。
それはきっとニューヨークであろうが、東京であろうが、
コリン星であろうが、住み始めたらそこには必ず『現実』と『日常』が
待っているのだ。
どこへ行ったって、ついてまわる。
どこかへ行けば開放される、なんてのは幻想であって。」
偉そうに書いときながら、
それでも場所さえ変えれば、今自分の中に漠然とある問題が
解決するような気がするときがある。
でもこの本読んだら、
自分がいかに恵まれた環境にいるのか気付かされた。
ヘタな読書感想文みたいなこと言っちゃってるけど、
でもそう思った。
日々、感謝。
なんつって。
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